『王国崩壊』
[古代世界史][第12章16節]
[イシュリトア大陸11284-6]
[著者へリア・トワイス]
イシュリトア暦2125年 イシュリトア大陸を統治していたリムケル王国初代国王イルファミスは、その生涯を終えた。イルファミスの遺言により、王位は娘のミスレティアが継承することとなった。
しかし、これに異を唱えたドレスティオ家が、イルファミスの兄であるグレイリスの息子ファミリウスを擁立して挙兵すると内戦が始まった。内戦によってリムケル王国の力が衰え始めると、大陸各地で独立の機運が高まった。イシュリトア暦2130年ダレイ地方の都市ステノンが独立を宣言すると、独立の動きは大陸全土に広がった。王国は初め独立の抑え込みを試みたが、独立勢力が力をつけると独立を認めた。イシュリトア暦2134年 リムケル王国は483の都市国家に分裂し、王国は崩壊した。
『雷槍ティル』
[詳説神器の基礎知識][第2章]
[イシュリトア大陸35289-0]
[著者:シャリオ・ロパス]
雷槍ティルは雷の力を封じ込めた槍の神器である。投擲することで最大の威力を発揮することができるが、投擲以外にも雷影と呼ばれる写し身を射出することもできる。雷槍ティルは雷神ティルスが所有物であったが後の雷人グレイリスによって盗み出され、地上に持ち込まれた。雷槍は所有者を変えながら、様々な歴史上の出来事に関わっていくことになる。トラボルタの戦いでグレイリスに勝利したイルファミスは雷槍ティルを取り上げると、娘のミスレティアに譲渡した。ミスレティアは雷槍を譲り受けると聖王位継承戦争の最前線で戦い、ザンクリールの戦いで敵将ファミリウス・ドレスティオを打ち取とり勝利した。その後ティミウスの虐殺が起こると、3代目聖王女トレストアによって封印された。長い間封印されていた雷槍ティルだったが、12代目聖王女トライトステの時代に暗黒帝国ゴラムとの聖暗戦争が勃発すると、再び戦場に借り出されることとなった。聖暗戦争の混乱の中一時的に紛失されていたものの、18代聖王女エマによって発見され、再封印された。
『聖王イルファミス』
[偉人伝 第1巻][第1章1節]
[イシュリトア大陸13089-2]
[著者:ペリトラス]
イルファミス・リムケル イシュリトア暦 2040~2125
イルファミス・リムケルはトリム地方のリムケル村で生まれ育った。母はルインダ、父はカラミア。兄弟には兄のグレイリスがいた。父カラミアは人間を神々の隷属から解放するための活動を行っていた。8歳の頃に反逆の罪で父が処刑されたことをきっかけに、イルファミスは兄グレイリスと共に父の意思を継いで神々と戦うことを決意する。12歳になると兄とともに戦う仲間を探すべく、大陸各地を巡るたびに出た。4年間の旅を終えたイルファミスは出会った10人の仲間とともに12人で天界に侵入すると、12の神器を盗み出した。神器で武装したイルファミス一行は神々に宣戦布告をし、5年間に渡る神人戦争が始まった。
激戦の末に地上から神々を一掃することに成功すると、イルファミスは故郷のリムケルを首都とするリムケル王国を建国し神々への勝利宣言を行った。その後イシュリトア大陸全土を平定し、法による平和を実現すると聖王として尊敬を集めた。
『ザンクリールの戦い』
[戦争記][第1章2節]
[イシュリトア大陸9482-3]
[著者:マスト・リアルケ]
イシュリトア暦2133年 最後の支配地であるフィミニを失ったドレスティオ家は家族と家臣、生き残った少数の兵士を連れてザンクリールの森へと逃げ延びた。リムケル家ミスレティアの包囲網がすぐそこに迫る中、ファミリウスは降伏を申し入れることを決めた。しかし、父グレイリスに強く反対され、降伏は叶わなかった。敗走より全滅を強く望むグレイリスとファミリウスは激しく対立し、全滅を避けるためにグレイリスを殺害した。家族を息子のティミウスと家臣に託し、ファミリウスは単身ミスレティアの軍に挑み戦死した。ここに聖王位継承戦争は集結し、ミスレティアが聖王位を継承した。